挑

　明けましておめでとうございます。

　正月三が日は比較的穏やかな日和でしたが、今日は雪が１５センチ程積もりました。

　先般、テレビで「日経連新春名詞交歓会」の放映があり、世の中不景気のせいでしょうか大勢の経営者が「挑戦

」という言葉を色紙に書いておられました。

　「挑戦」　国語辞典には、困難なものに向かっていってそれに打ち勝とうすることとあります。

　「ただすべからく万事を放出して一向に学道すべし。後事を存することなかれ」道元禅師のお言葉です。

　自ら勇猛邁進の心を持って新しいものに自分を没入させることが大切だとでも訳すのでしょうか。

　昔、三遊亭円朝という落語家がいましたが、あるとき、剣道の達人である山岡鉄舟のところに招かれて「桃太郎

」を語れと乞われ、得意の弁舌をふるったことがことがあります。

それを聞いた鉄舟は少しも感心しない。そして「お前の噺は舌先語っていて桃太郎が生きていない」と酷評され

たとのことです。円朝師匠は「それでは舌で話さずにどこで話せばよいのでしょうか」と聞きますと「お前が桃

太郎になるのだ」といわれ、それからは火のついたように桃太郎になり切る修行をし、再び鉄舟の前で披露した

ところ、今度は感心をし、落語家はやはり舌を無くさなければ名人ではないなといって「無舌居士」という号を

授けたというお話があります。特に若人には、自分の進むべき道を見つけ、常に挑戦してもらいたいものです。