「大きい」ことはいいことなのか。
先日、新日鉄と住友金属の合併計画が発表された。マスコミも大歓迎のようである。
独占供給体制が確立されれば、利益が出るのが当たり前、企業にとってよくても、私達にとってはどうなのか。
昔から、「驕る平氏久しからず」という言葉もある。高い利益率に慣れきった企業は、どうしても研究開発や
販売活動で地道な努力を怠るようになると言われており、その代表格がGM(アメリカの自動車会社)だ。
贅沢をし、奢侈に浸っていると慢心の心が芽生え、それがわが身を亡ぼすこととなる。
お坊さんの世界でも「檀家が多ければ多いほどその寺の住職は、偉く見えるものだ」とのたまう方もいる。
まことに嘆かわしいことだ。
道元禅師は、道を学ぶには、まず、すべからく、貧を学ばねばならぬ。その上、利益を捨て、へつらうことをや
め、万事を投げ捨てるならば、必ず立派な僧となるものだ。大宋国で立派な僧であると人に知られた人は、みな
貧しき道人であった。と述べられている。
「大」を捨て「小」に生きる。「清貧に甘んじる」これが今の僧侶に求められている。
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