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 我が寺に犬が参りました。柴犬の雄です。名前は「リン」二代目です。いま郵便配達の方に吠えています。

 最初の犬は柴の雌、この犬はおとなしく従順で利口、みんなに可愛がられました。この犬はどうなりますやら

教育次第でしょうか。柴犬は柴や藪を潜り抜けて狩を助けるとあります。もともと気性は荒いのかも知れません。

 犬といえば、詩人陶淵明よりやや先輩の陸機(261~303)が飼っていた名犬「黄耳(こうじ)」が有名です。


 この犬は手紙を首にゆわえられて遠くまでとどけたということですが、せめて我が寺の「リン」も


         旧犬は我の帰りしを喜び

         まとわりつきて衣の裾に入る

 くらいの犬になってもらいたいものです。
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 無常迅速(一切の物事は、すみやかにうつろいゆく)今年も、もうお盆の季節がやってきました。

 お盆の正式な名称は「盂蘭盆」(うらぼん)といいまして、昔のインドの言葉「ウラバンナ」からきており、

この「ウラバンナ」を漢字に当てはめたものが「盂蘭盆」略して「盆」となったと言われています。

 「ウラバンナ」とは、逆さ吊りのことで、お釈迦様の弟子の目連尊者のお母さんが「餓鬼道」に落ちて、まるで

逆さ吊りにされているような苦しみを味わっておられた。

 そこで目連さんは、お釈迦様に相談したところ、修行の終わった僧侶を招き、あなたが、出来るだけの供養を

して差し上げなさい。供養をお願いしたところ、お母さんは、地獄の苦しみから救われたということです。

 当寺でも8月1日施餓鬼供養を(せがきくよう)を厳修いたしました。

 施餓鬼とは、餓鬼にほどこすという意味から、今では先祖供養の大切な行事となっています。

 お盆の数日間は、先祖がみなさんのもとに来られるものでありますから、幸せに暮らしている皆さんの姿を

お見せしたいものです。

 餓鬼とは六趣(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)の一つで、この世で悪行を犯した人がとどまる世界

 いつも飢餓に瀕し、食べる欲望が強く、さて食べ物を得てそれを食べようとするとそれが炎となって燃え上

がり、口にすることの出来ない悲惨な世界のことをさします。

 そういえば笠女郎(かさのいらつめ)が恋焦がれている大友家持に送った歌にこんなのがあります。

    「相念(あいおも)はぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後ろにぬかずく如し」

 こちらも思い、先方も私のことを思ってくれる相思相愛の仲であってこそ、恋は楽しいものでありますが、

こちらばかりが熱をあげて、いわゆる鮑(あわび)の片思いをつづけるのは、あの大寺の隅にみせしめの

ために置いてある餓鬼の像にわざわざ後ろの方から一生懸命床に額をこすりつけて拝んでいるようなもので、なん

のご利益もなく、なんとばかばかしく愚かなことかと反省しています。笠女郎の自笑が聞こえます。

 おや、急に大きな落雷とともに、大粒の雨が降ってきました。もう秋の気配でしょうか。

 

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